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出口戦略でつまずく大家さんの心理とは

投資物件

澤藤 勝衛

筆者 澤藤 勝衛

人と話をするのが大好きです。私と会う時は時間を多めに取ることをおすすめします!

「売るに売れない」のはなぜ?

──  出口戦略でつまずく大家さんの心理とは ⸻

1. はじめに
“売る前提”で買っている人、実は少ない

こんにちは。Asobo不動産の代表、澤藤です。

私はこれまで約20年間、専業の大家として生計を立ててきました。
そして5年前に、大家業から一歩踏み出して不動産会社「Asobo不動産」を立ち上げました。

自分の投資スタンスは、中長期の所有・運営型。
中心としてきたのは土地と建物のセット(ランドセット)での一棟運用です。

ただし、一般的な「企画住宅」ではありません。私は常に、自分の足で地域を歩き、マーケティングを行い、その場所に本当に求められる住宅を企画。信頼できる建築業者・設計士さんとタッグを組んで、入居者ニーズに合った物件をつくってきました。

そうした物件は、結果として中長期的に安定した入居率を維持できます。そして、会社の財務状況に応じてタイミングを見て売却し、得た資金を次の投資に再投入するサイクルを回してきました。

でも、だからこそ分かるんです。
「売るべきかどうか」の判断は、いつだって難しい。

投資を始めた頃はみんな「買うこと」に目が向きますが、本当に大事なのはその先「どうやって終わらせるか(出口戦略)」なんです。


2. 売却判断につまずく3つの落とし穴

「売るに売れない」状況に陥る大家さんの多くが、次のような“落とし穴”にハマっているように感じます。

① 感情のブレーキ

「初めて買った思い出の物件だから」
「なんとなく手放したら負けた気がする」

こんな風に、感情が判断を曇らせてしまうことは珍しくありません。
物件に愛着があるのは素晴らしいことですが、それが損失を引き延ばす原因になっては本末転倒です。


② 想定とのズレ

「思ったより空室が続く」
「管理コストが高くついてしまった」
「利回りの割にキャッシュが残らない」

計画通りにいかないことは当然起こります。でも、そのズレを放置したまま「なんとなく保有を続ける」のは危険です。


③ 市場の変化を過小評価する

「このエリアは昔から人気だから大丈夫」

「築年数は古いけど、うちの物件は特別」

そう思っていても、
周辺に新築が立ち並んだり、入居者の価値観が変わったり、不動産は“持っている間に変化する資産”です。

変化に対応できなければ、出口を見失うことになります。

はい、悩みを抱える不動産オーナーのイラストを生成しました。




3. 行動経済学的に見る“売れない心理”

こうした判断ミスの背景には、「心のクセ=バイアス」があります。

● 損失回避バイアス

人は利益よりも、「損を避けたい」という気持ちが強く働く生き物です。
「今売ったら損が確定する」と思うと、動けなくなってしまう。

でも、売らずに保有して損失を広げるほうが、よっぽど大きな問題だったりします。


● 現状維持バイアス

「今のままでも特に困ってないし…」
そうして、判断を先延ばしにしてしまう。でも、変わらないこと自体がリスクになるのが不動産の世界です。


4. 私自身の出口スタンスと意思決定の基準

私は物件に対して、「持つべきか・売るべきか」を分ける基準を明確にしています。
•ランドセット(長期保有・事業の基盤)
•中古物件(短期保有・売却益で再投資)

この“役割分担”を決めておくことで、感情ではなく戦略的に判断できます。

さらに、「相続しても良い」と思える物件だけを最終的に手元に残す。
これも出口戦略の一環です。

売ることは終わりではなく、“資産の選別”だと考えています。


5. Asobo不動産ができる「出口設計」のサポート

Asobo不動産は、“買ってもらう”ことよりも、“持ち続けることの意味”や“手放す理由”を一緒に考える存在でありたいと思っています。
•売却・保有シミュレーション
•再投資や資産組み換えの提案
•相続・承継視点でのポートフォリオ調整

「売る or 売らない」だけじゃい“次の一手”を一緒に整理することが私たちの役割です。


6. まとめ

売却もまた、技術と対話の積み重ね
不動産投資において、「買い時」よりも「売り時」の方が圧倒的に難しい。

だからこそ、
・主観に流されない仕組みを持つ
・冷静に話せる相手を持つ
・出口の準備を“始めておく”ことが大事です。

お知らせ

8月3日(土)やはパークで無料相談会を開催します!

こうしたテーマに「今まさに悩んでいる」オーナー様向けに、Asobo不動産では初の【不動産無料相談会】を開催します。

今回の相談会は地元の司法書士・下屋敷俊介さんが同席。相続や名義変更といった法律面の相談にも、その場で一緒に対応できます。


開催日時:2025年8月3日(土)13:00〜16:00
会場:
やはパーク(矢幅駅東口すぐ)

Asobo不動産常務 平野利穂
司法書士 下屋敷俊介 氏

内容:
・売却 or 保有の判断相談
・相続・資産整理の考え方
・出口設計・再投資プランなど


「まだ売るか決めてないけど、考え始めたい」
「相続の準備として今何ができるか知りたい」

そんな方も、どうぞお気軽にご参加ください。今回が初開催ですが、今後も年に数回開催していく予定です。

▶ 予約制となりますので、メール、お電話頂けますと幸いです。
状況によっては、当日受付でも大丈夫です。


“売るかどうか”の正解は人によって違います。でも、正しい判断は「整理と対話」からしか生まれません。Asobo不動産は、そんな対話の場所であり続けたいと思っています。お会いできるのを楽しみにしています!

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