
不動産投資でよくある“判断ミス”を行動経済学の視点から考えてみる
「なんであの物件、買っちゃったんだろう?」
──不動産投資でよくある“判断ミス”を行動経済学の視点から考えてみる
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はじめに|「データより感情」が意思決定を狂わせる
こんにちは。Asobo不動産の代表、澤藤です。
私はもともと、大家業を専業で約20年続けてきました。
不動産を「持つ側」として、管理や空室対策、修繕、家賃交渉…本当にいろんなことを経験しながら、長年向き合ってきました。
そんな中で、「もっと現場目線で、投資家や大家さんの力になれる会社があったらいいな」と思い、5年前にAsobo不動産を立ち上げました。
だからこそ、わかるんです。
不動産投資でうまくいく人と、そうでない人の違いは、“知識の差”だけじゃない、ということを。
意外と多いのが、「わかっていたのに、なぜか判断を間違えた」という“心のクセ”によるミスです。
今回は、そんな“ちょっとした思い込み”が判断を狂わせる例を、行動経済学の視点からご紹介します。
内容はあくまで実践的に、難しい言葉はできるだけ使いません。
大家さんにも、これから不動産投資を考えている方にも、きっと役立つと思います。
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不動産投資でよくある「判断ミス」とその理由
1. 最初に見た数字に引っ張られる(アンカリング)
「この物件、利回り8%ですよ!」と言われると、
“8%”という数字が強く印象に残ってしまい、
その後に出てくる管理費や空室率などの“現実”を、軽く見てしまうんです。
でも実際に手元に残るお金は、管理費・修繕積立金・固定資産税などを引いた「実質のキャッシュフロー」が全て。目立つ数字より、「何がどれだけ引かれるのか」を冷静に見ましょう。
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2. お金も時間もかけたから引き返せない(サンクコスト)
現地を見に行って、融資の事前審査も通して…
ここまで頑張ったんだから、もう買っちゃえ!
…これ、実はとても危ない心理です。
「ここまでやったから、やめられない」は、投資の世界では禁物。
合理的に考えたら「今やめるのがベスト」というタイミングでも、人はそれができません。
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3. 自分だけは大丈夫と思ってしまう(楽観バイアス)
「他の人は失敗するかもしれないけど、自分はちゃんと調べたし大丈夫」この自信、分かります。自分もかつてはそうでした。
でも不動産って、調べてもわからないことが起きるもの。空室が続く、想定外の修繕、近隣トラブル…。
だからこそ「失敗前提の想定」ができるかどうかが、実はカギなんです。
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4. 表現の仕方で印象が変わる(フレーミング効果)
「節税効果で年間70万円プラスになります」と言われると得した気になりますが、「実質月3万円の持ち出しが続きます」と言われたら印象が変わりますよね。
言い方ひとつで、同じ内容でも受け取り方が変わる。
これは営業トークの常套手段でもあるので、冷静に中身を見ましょう。
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5. 判断を先延ばしにしてしまう(現状維持バイアス)
買った物件があまりうまくいっていなくても、「いま売ったら損が出るから…」と動かずに時間だけが過ぎていく。
これもよくあるケースです。
でも「何もしない」=「損失を広げる」ことにもなりかねません。
“持ち続ける理由”をちゃんと説明できるか?を自分に問いかけてみてください。

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自分も、昔はミスしそうになった
20年やってきたとはいえ、 昔は「利回りが良さそうだから」という理由だけで買いそうになった物件もありました。
でも、実際に現地を見て「これはないな…」と気づけたこともあります。
そういうときって、「いい物件に出会った!」というテンションが先に来ちゃって、冷静さが薄れるんです。だからこそ、「一度冷静になる仕組み」が必要だと感じています。
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投資判断を間違えないためにできること
1. 「買いたい理由」と同じくらい、「やめる理由」も考える
2. 一人で決めず、他の人に相談してみる
3. 数字の話だけでなく、将来の暮らしまで想像してみる
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Asobo不動産は「冷静な判断を支える場所」でありたい
Asobo不動産は、単に「物件を売る会社」ではありません。
大家業を自分の仕事として長年やってきた立場から“感情に振り回されない投資判断”をサポートすることを大事にしています。
•利回りより、「手元に何が残るか」を重視した提案
•短期的な目線でなく、「10年後も持っていたいと思えるか」の視点
•「この物件、本当に今買っていいのか?」の確認にも付き合います
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最後に
不動産投資は「買うまで」よりも「買ってから」が本番です。
そして、投資判断においていちばん厄介なのは、自分では気づかない“心のクセ”や思い込みです。
Asobo不動産では、そういった“見えないズレ”を一緒に整える存在でありたいと考えています。
気になる物件がある、でも迷っている。そんな時はぜひ、気軽にご相談ください。
▶ 無料相談・セカンドオピニオンも随時受付中です。
