
消費者トラブルの実態──「知らなかった」では済まされない契約の落とし穴
消費者トラブルの実態──「知らなかった」では済まされない契約の落とし穴
私たちが日常的に接する契約──ネット通販、電話勧誘、訪問販売、定期購入など。
その裏で、契約内容に関する「説明不足」や「不当な条項」が原因のトラブルが数多く発生しています。
投資用ワンルームマンションも典型例です。節税になるから・・・将来的な資産になるから等など本当に多いです。
全国の消費生活センターに寄せられた相談をまとめたデータから、今どんな問題が起きているのか、どんな契約に注意が必要なのかを整理してみました。
1. 契約の説明、ほんとうに“わかりやすい”?
たとえばこんな相談が寄せられています。
「契約内容が専門用語だらけで、意味が分からなかった」
「解約料の説明が一切なかった」
「“無料”と言われて始めたのに、後から高額請求された」
特に多いのが、「説明不足」(約5万件)や「虚偽説明」(約3万件)といった、契約前の情報提供の不備に関するものです。
中には「契約条項があまりに難解で、理解できなかった」という声もありました。
2. あの勧誘、実は違法かもしれません
注意したいのは、「勧誘方法」に関するトラブルです。
特に多かった手口には、次のようなものが含まれます。
無料商法:「無料体験」や「初回無料」をうたい、実際には継続課金が発生するパターン(約1.8万件)
販売目的の隠匿:アンケート調査などを装い、実は販売目的で接触する手口(約8,300件)
サイドビジネス商法:「簡単に副収入が得られる」との甘い誘い文句で契約させるもの(約1.1万件)
強引・威圧的な勧誘:「断ったのに何度も電話が来た」「怒鳴られて仕方なく契約してしまった」など(約4万件)
こうした手口の多くは、消費者契約法の第4条に違反する「不当な勧誘」に該当する可能性があります。
3. 契約後に発覚する「不当な条項」
契約したあとに問題が発覚するケースも後を絶ちません。
解約料が不当に高い:たとえば、1週間しか使っていないのに、全額請求された。
保証金や敷金の返金トラブル:原状回復費用として過大に差し引かれ、ほとんど戻ってこなかった。
遅延損害金が過大:支払いが少し遅れただけで、過大な利息を請求された。
これらは、契約条項が消費者にとって一方的に不利なものであるとして、消費者契約法の第8~10条に基づき無効になる可能性があります。
4. 数字から見る消費者の“困った”
全国のデータを見ると、相談件数の多さからも、こうした問題が決して例外ではないことがわかります。
項目 相談件数(2020年) 特徴
説明不足 50,241件(12.7%) 契約前の情報提供が不十分
虚偽説明 31,040件(7.9%) 事実と異なる説明で契約させる
無料商法 17,791件(4.5%) 無料を強調し実は有料契約
解約料トラブル 36,152件(5.9%) 高額な違約金・キャンセル料
ほかにも、「判断能力に問題のある人への契約」(約7,800件)、「点検商法」「開運商法」「次々販売」など、手口は年々巧妙化しています。
5. トラブルを防ぐ3つの視点
こうした問題から身を守るには、日頃からの心構えが大切です。
① 「契約書」は必ず確認する
→ 特に「料金」「期間」「解約の条件」は丁寧にチェックしましょう。
② 「すぐ契約しない」
→ 「今日だけ」「今だけ」と急かされても、一度持ち帰って冷静に考えること。
③ 「違和感があったら専門機関に相談」
→ 全国の消費生活センターや専門家へ早めの相談を。
最後に
「説明されなかった」「知らなかった」では済まされないのが契約の世界。
でも、法律は私たち消費者を守ってくれています。
不動産に関わる契約だって例外ではありません。
特に不動産は動くお金が大きいケースが多いので慎重に検討する事が重要です。
消費者契約法は、不当な勧誘や条項から消費者を保護する強力なルールです。
もし契約内容や勧誘方法に不安を感じたら、一人で悩まず、専門家や専門機関に相談しましょう。
Asobo不動産では、皆様に快適な暮らしを提供できるように日々心がけております。
気になる事はお気軽にお声がけ下さい!
※本記事は、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク)登録の2020年統計をもとに作成しています。